[新日本プロレス] 中邑真輔、AJスタイルズ、アンダーソン&ギャローズのWWE移籍、現段階での情報まとめ(後編)

1.4東京ドームの後の1月5日、中邑真輔、AJスタイルズ、アンダーソン&ギャローズの4人がWWEと契約するのではないかとの情報が広まり、今現在に至るまで様々な情報が出てきました。そしてレスリング・オブザーバーから最新の情報が出てきたので、ざっくりベースですがこの4人の状況をまとめました。その後編になります。


Wrestling Observer 2016.1.7
中邑、AJ、カール&ギャロの状況まとめ:後編

レスリング・オブザーバーは最新の記事で、中邑真輔、AJスタイルズ、カール・アンダーソン、ドク・ギャローズの4人は新日本プロレスに退団、もしくは今後参戦しないことを伝え、おそらく4人はWWEと契約すると思われると報じています。また中邑真輔に関しては1月6日(木)に東スポより新日本プロレスを退団する事が明らかにされ、退団後はWWEに向かうことが予想されるとのこと。
しかし現在の契約が切れる1月末ですぐに新日本プロレスから離脱するという事が決まった分けではありません。

レスリング・オブザーバーによると、WWEは何ヶ月も前から中邑真輔の事を狙っていたということです。木谷高明オーナーは所属選手がWWEに引き抜かれないようにトップ選手には1億円の年俸を払わなければならないと以前話していましたが、現在の中邑は1億円には程遠いです。
しかし新日本プロレスが健全なままであるならば、中邑は長期的な契約が保障されるはずです。天山広吉や中西学などあまり動けない選手でも新日本プロレスは契約をし続けます。中邑であればカリスマ性もあるので今のように動けなくなっても、下の方のカードで多人数戦であれば10年以上は働くことができるでしょう。
なのでWWEは現在よりも高い年俸をただ提示すればければ良いという分けではありません。中邑がWWEと適切な交渉をするならば、かなりの額を用意する必要に迫られることもあり得ます。

またPWInsiderでは、WWEは1年前から中邑と接触していたが、WWE側の返答(内容は不明)が2015年1.4東京ドームの後となり、中邑はすでに新日本プロレスと新たな1年契約を結んだ後だったとも報じています。

2月のROH14周年記念PPVに中邑真輔が出場するかは微妙なところです。レスリング・オブザーバーは中邑はROHに出場しないと言っているものの、中邑自身はROHに出場すると話していたそうです。
おそらく1月末に新日本プロレスを退団したとしても、その後も新日本プロレスに出場する事になると思われます。中邑は現在IC王者で、本当に離脱する前に同王座を落とさなければなりません。そして1月末まで新日本プロレスの契約下にいるので、それまではWWEと交渉できません。さらにWWEと契約する為にはメディカル・テストとフィジカル・テストをパスする必要があり、このテストの結果が出るのは数ヶ月かかります。なので2月以降もスポット参戦という形であれば新日本プロレスに出場する事は可能です。プリンス・デヴィットも、WWEとの契約の噂がありながら4月まで新日本プロレスに出場していました。
しかしROHとなると、少し話は変わってくるかもしれません。WWEはROHを競合団体として見ています。問題はROHのTV番組やPPVに出場する事で、WWEは契約する選手が全国放送のケーブルTV局に出場する事を嫌います。WWEと契約する事が前提であれば、WWEはROHのPPVやTV収録に参加しない事を要求するかもしれません。(放送に登場しなければ問題ないですが)
ただ現在のROHが全国放送レベルで放送されているかは不明です。
今現在ROHからは中邑の欠場についての発表はありません。

そしてWWEは今現在世界最高の2人のレスラー、中邑真輔とAJスタイルズを獲得しようとしています。2人はNXTで時間を費やすこと無く、すぐにメインロースターとなると思われます。
通常であればどんなに優秀であろうとも外国人はNXTからのスタートとなり、そこで英語とWWE特有の表現方法やリングスタイルを学ぶことになります。WWEがこの方針を決めたのは初代シン・カラがCMLLから直接WWEのメインロースターになった後からでした。

カール・アンダーソンとドク・ギャローズについては、ベイラー・クラブに加わるという憶測があるものの、WWEが彼らをどう使うのかは何も分かっていません。アンダーソンはここ数年でのWWEのオファーを断っています。アンダーソンは1.4東京ドームではよりスリムになって登場しました。より筋肉質になって日焼けもしていました。まるでWWEに行く準備をしているかのように見えます。彼は技術的に優秀な選手です。そしてマリアコントでも示したように、多少のコメディもこなせます。新日本プロレスにしてはWWEのようなプログラムでした。
WWEはたまに自分達で解雇した選手とも再び契約することはあります。ギャローズはアンダーソンのパートナーでラッキーだったかもしれません。これは1984年WWEがバーン・ガニアの団体から有力選手を相次いで獲得した事が思い出されます。
米国ではAXSが放送しているワールドプロレスリング・リターンズはそこそこの視聴者を獲得しています。しかしこの放送局としてはヒット番組です。そして1984年のバーン・ガニアのように、人気アナウンサーのマウロ・ラナーロ、アンダーソン&ギャローズ、そして中邑真輔とAJスタイルズをWWEは手に入れようとしています。(ラナーロは獲得済み)
またアンダーソンは1.5ニューイヤーダッシュでタッグ王座のリマッチをアピールしているので、次期シリーズのニュービギニングには出場するものと思われます。アンダーソン自身もツイッターで今月27日には日本に戻ることを明らかにしています。タッグ王座での出場であれば、おそらくギャローズも出場すると思われます。2人も中邑同様すぐにWWEと契約できるという分けではありません。

また他にはタマ・トンガ、バッドラック・ファレの名前も噂に上がりました。彼らは新日本プロレスに退団する事を言っていません。ファレは現在新日本プロレスと交渉中だという情報もあります。しかしファレは契約内容の一部を変更する事を望んでいるようです。そしてロメロは新日本プロレスに離脱の意思を伝えていて、WWEと選手兼コーチとして交渉していたものの、新日本プロレスと2年間の契約をしたとの情報が出てきました。実際契約書にサインをしたかまでは不明ですが、ロメロは2年間新日本プロレスに留まる事を決めたと何人かに話していたとレスリング・オブザーバーは伝えています。
しかしフィン・ベイラー(新日本プロレス時代はプリンス・デヴィット)は、ファレとタマの獲得をWWEに提案していると思われます。

レスリング・オブザーバーは今回のトップスターの流出を受けて、新日本プロレスに以下のような提案をしています。
新日本プロレスは2015年の1.4東京ドームと7.5ドミニオンでピークに達しています。そして新しいスターの育成をおろそかにした事への代償を払う時が来たようです。
WWEは対照的に積極的に将来のスター選手の獲得行っています。それが他の団体で成長した選手であったとしてもです。今の新日本プロレスはいろいろな意味ででWWEをコピーしようとしました。レッスルマニアのような東京ドーム・ウィーク、そしてストリーミングサービスの提供により、PPVとiPPVのサービスを止めました。(WWEはPPVを続けてはいるが、今は明らかにWWEネットワークを押している)
新日本がまず最初にやらなければならなかった事は、トップ選手と複数年契約を結ばなければならなかった事です。WWEのトップ選手は8〜10年の契約をしています。そして契約が切れるかなり前から新しい契約の交渉に入ります。二流の選手や育成選手ですら、通常最低でも3年契約です。これは資金力のある大企業から、自分達のトップスターを引き抜きから守るための方法です。新日本プロレスは1年契約が1月で終了するので、いいカモにされ選手を失う事となりました。

そして2つ目は、新日本プロレスもゼロから自分たちでスターを育成するのでは無く、他の団体から若い有能な選手を獲得する事を受け入れなければなりません。日本人には若くて有能な選手、もしくは小さな団体でも新日本で十分活躍できる選手はがたくさんいます。日本の環境では難しいのかもしれませんが、WWEは常に他の団体の優秀な選手を獲得してきました。
確かにWWEもカート・アングルやザ・ロックのように自分で育てた選手もいますし、ロマン・レインズのようにそれに当てはまる選手もいますが、新日本プロレスはほとんどが一から育てた選手ばかりです。登竜門出身のオカダ・カズチカは例外として。飯伏幸太が復帰した時、彼は新日本プロレスのTOP4にならなければなりません。しかし彼はDDTとの2団体契約でスポット参戦です。

※:前編はこちら

(情報:Wrestling Observer)


中邑が退団の意思を伝えていながら、それを発表しないのはまだWWEと契約してないからですかね?条件面で合意できない場合もあれば、メディカル&フィジカル・テストでパスできず契約に至らない可能性もあります。そうなると新日本プロレスに残留する事も考えられるので、新日本プロレス退団を公表するのはWWEとの契約の目処が立った時になるのかな?
メルツァーはWWEのスター不足も以前に指摘してたんですが、今回の件でそれも解消さることになりそうですね。WWEは元新日本プロレスの選手や、ROH関係から新日本プロレスの情報はかなり得ているでしょうね。ニュースサイトに出てきていないようなものまで。