AJスタイルズ&アンダーソン&ギャローズのTNA移籍交渉の顛末:UPDATE

AJスタイルズとアンダーソン&ギャローズが昨年TNAと移籍交渉していたのは、TNAの自らの暴露により明らかになりました。ちょっとだけ追加情報です。


Wrestling Observer 2016.1.27
なぜTNAは必敗したのか:UPDATE
(Update on What Went Down with TNA)

TNAはWWEロイヤルランブルの2日前の1月22日、WWEに移籍したAJスタイルズと現在まだ新日本プロレスに出場しているカール・アンダーソン、そしてドク・ギャローズの3人がTNAとの契約に合意しておきながら、その後反故にしたという声明をウェブサイトで発表しました。
TNAは昨年多くの選手が退団し、さらにカート・アングルが1月いっぱいで退団する為に、新たなレスラー獲得に積極的に乗り出していた事は知られていました。

この件に関してはPWInsiderが関係者から聞き取りをした詳しいレポートがありましたが、レスリング・オブザーバーからも新たな情報が幾つか出てきました。
レスリング・オブザーバーによると、AJスタイルズは過去数カ月間、新日本プロレス、ROH、それからTNA、そして最後にWWEとも交渉をしていたということです。そしてAJスタイルズは、その中で1番条件の良い団体に行く事を明確にしていました。AJスタイルズは11月からTNAと交渉しています。AJスタイルズの過去2年間の活躍と高い評価で、TNAはAJスタイルズの復帰を真剣に考えていました。そしてアンダーソンとギャローズを含めた3人はTNAの提示額に満足していたそうです。特にアンダーソンはTNAと契約寸前だったとのこと。

しかしWWEがAJスタイルズ達がTNAと交渉していることに気がつくと、WWEは3人に本気のオファーをしました。WWEはバレットクラブTシャツの人気をよく理解しており、ベイラー・クラブを利用したグッズ展開の可能性に関心があったのです。そしてAJスタイルズは38歳とレスラーとしては高齢の域にあり、腰の怪我もあって安定を求めて条件の良い複数年契約を検討していました。結果TNAに比べてWWEの方が安定しているとの結論に至ったのでしょう。
WWEは本気のオファーだと証明する為に、AJスタイルズに直接メインロースター・デビューと名前等の権利を保持できる事を条件に盛り込みました。これは何年間もWWEがやってこなかった事(※スティングはまた別なのかな?)です。WWEでのリングネームを他で使用できるのはジョン・シナ、ブロック・レスナー、そして2014年に解雇されたCMパンクです。またサモア・ジョーも結果的に同じような事になりそうです。しかしロマン・レインズもディーン・アンブローズもそれ認められていません。

AJスタイルズのエージェント兼弁護士のビル・ベーレンスは、TNAに対し最終的な契約締結には至ってはいなくて、その遅れが他団体との交渉を可能にさせたと主張しました。結果的にWWEは新日本プロレスから引き抜こうとした分けでは無い事が証明されましたが、AJスタイルズ、アンダーソンとギャローズは新日本プロレスから離脱しようとしていた事も明らかになりました。
しかしアンダーソンはTNAと新日本プロレスの両方に出場する事を望んでいたそうです。しかし新日本とTNAは過去の問題によりそれが可能で無い事も明白でした。(※過去オカダ・カズチカ、内藤哲也、高橋裕二郎らが海外遠征先としてTNAに参戦していたが、全くプッシュされる事はなかった。)

※参考:AJスタイルズ&アンダーソン&ギャローズとTNAの交渉内容が明らかに

(情報:Wrestling Observer)


中邑真輔も2年前から考えていたとも言っているので、結果的に見れば4人は自分の意思で新日本プロレスから離れる事を選んだのではないかと。アンダーソンとギャローズはAJスタイルズに誘われているという経緯もありますが。
なのでWWEが新日本プロレスを標的にしているとか、強引なやり口と言った表現は正しく無いようです。結果を見れば……特にTNAは……。
あとバレットクラブに関しては、WWEがそれでプライドを傷つけられたと言うよりも、むしろその成功に関心があったとのだと思います。だからベイラー・クラブなんて作ったのでしょうね。TNAとAJスタイルズが交渉しなければこのタイミングでWWE行きは無かったかもしれませんが、AJスタイルズはそもそも2016年に向けて長期契約(ギャラの補償も含めて)をする団体を探していたようなので、どのみち新日本プロレスからは去っていた可能性はあります。
ついでにレスリング・オブザーバー大賞のワースト抗争部門第7位のキングダムvs.バレットクラブは、アンダーソンとマリアのコントの事でしょう。外国人にもウケが悪かったようです。