[新日本プロレス] 2017年戦略発表会その2、目標は東京ドーム満員、ワールドの会員数、アメリカ本格進出、他

5月16日新日本プロレスは2017年の戦略発表会を行いました。後編は木谷オーナーによる新日本プロレスの戦略発表です。長いので一部省略しています。


新日本プロレス 2017.5.16
新日本プロレス 戦略発表会:後編

前編の三澤トレーナーの会見に続いて、後編は木谷高明オーナーの会見に。木谷オーナーも選手のスケジュールや健康管理について触れ、過去の慣習が続いているものも含めて全てを見直していきたい。選手が心と体を張って素晴らしい試合をできるように、ビジネスサイドは頭をフルに使って新日本プロレスの存在を素晴らしいものにしていくと語りました。

そして戦略発表に移り、2012年1月31日から新日本プロレスはブシロードのグループ会社となり、それ以前の売り上げが10億円程度だったそうです。ブシロードグループとなった新日本プロレスは、
2012年:11億円
2013年:16億円
2014年:22億円
2015年:27億円
2016年:32億円
2017年:37億円(見込み)
2018年:45億円(計画)
と成長していきました。

今年に関しては5月の時点での着地見込みとのこと。利益に関しては前年で4億越えの経常利益、ブシロードグループとなった時には債務超過だったそうです。今ではかなりの純資産がある無借金の立派な会社に変貌。過去最高の売り上げは97年前後の約40億円、当時は利益が少なかったので、現時点では利益は最高となっているとのこと。売り上げも過去最高を目指し、来期の計画は45億、目標は50億円。しかし選手の負担になるような試合数、シングルマッチの増加は行わない。その代わり大会数は減らさず、増やす方向に。

売り上げ面ではWWEの20分の1まで来た。しかしグッズ売り上げに関しては4〜5分の1まで来ている。その代わりデジタル収入(ウェブ広告等)とMD収入(ゲームやフィギュア等)は、WWEの50億に対し、新日本プロレスは数千万円くらいなのだそうです。WWEのゲームやフィギュア等はトイザラスで売られており、それはマニアではなく一般層に向けての展開だからだそうです。
デジタル広告に関してはWWEの28億円に対し、新日本プロレスは1〜2千万円程度。

続いてライブ戦略の話題に。新日本プロレスは2020年までに東京ドームを満員にする事を目標とするそうです。2020年の1.4東京ドームは土曜日になるタイミングだから。そして満員の基準は40,000〜45,000人を見ているとのこと。50,000入ったらラッキー。

この目標を達成させる為に、メディア戦略(アミューズ効果で選手のTV出演が増えた。それにより地方の客入りが増えた) コラボ、選手がオシャレだからオファーがあるそうです。そして広告宣伝は引き続き派手に行っていくことのこと。ミラ・ジョボビッチとオカダ・カズチカの共演は、特に海外から注目度が上がったそうです。昨年中邑真輔やAJスタイルズのWWE移籍が悔しかった事がミラ・ジョボビッチ出演に繋がったとのこと。

そしてデジタル戦略の話に移ると、新日本プロレスワールドの現在の会員数は約50,000人で、その内海外の会員は約10,000人だそうです。目標は2020年までには10万人、パリーグTVが約6〜7万人なので、10万人になれば日本一の専門配信サービスになるとのこと。
ファンクラブの有料会員も1万人を超え、5年前は2,000人に満たなかったそうです。

7月1日・2日のロサンゼルス大会を行う決断に至ったのも、ワールドの海外の会員数が多かったことと、米国AXSの新日本プロレスの視聴者数が週20万人いた為だったそうです。

この日新日本プロレスワールドがデザインリニューアルされ、コンテンツを探しやすくなった。今後もビッグイベントは全大会、全試合をノーカット放送。今後もライブ配信数を増やす予定。Chromecastに続いて、Amazon Fire TVにも近日対応開始。ROH、RPW、CMLLといった海外の提携団体とも良好な関係なので、引き続き配信していくとのこと。
また過去のライブラリも拡充予定。オリジナルコンテンツのインタビュー、ドキュメンタリー、バラエティも満載。
ワールドの加入者お得プランも計画中、新規&既存会員への特典、プログラムを準備中。そして海外加入者向けに、英語実況&コンテンツ、英語サイトの整備もしていくそうです。
またバレットクラブが人気のアメリカでは、Tシャツが万単位で売れるのだそうです。そしてSNSやYouTubeチャンネルの登録者数を増やしたいとのこと。

最後にグローバル戦略、新日本プロレスのアメリカ本格進出。ロサンゼルス大会のG1スペシャル in USAの会場は、大田区総合体育館(約3,900人)程度のキャパだそうです。
そしてアメリカ進出戦略に向けて米国現地法人の設立(時期未定)、日本のスタイルを学びたいアメリカ人向けに米国で道場を設立(時期未定)、すでに発表しているIWGP US王座を新設(※ヘビー級は付かないみたい)。2日間のG1スペシャル in USAで初代王者が決定される。(※当初リーグ戦の総当たりトーナメントと発表されているが、どうやら勝ち抜け式のトーナメントらしい。)

アメリカ向けの戦略としては、
・米国には新日本の戦いそのままのを持っていく
・米国でスター育成
・米国にあった興行形態
・提携団体への派遣/テリトリー/ビッグマッチ
・デジタルの活用
・新日本プロレスワールド、SNSの英語化!

そして選手への負担はこれ以上大きくしないが、でも色々やって新日本プロレスを大きくするとのこと。


※参考:新日本プロレス 2017年戦略発表会その1


(情報:新日本プロレスワールド)


ライオンズゲートに関しては触れられませんでしたね。今後も月1開催が続くのかな?あとロサンゼルス大会の会場のキャパは2,000〜2,200人程度って情報があったんだけど、2日間で大田区体育館1回分ってことか、1回で大田区体育館分ってことなのか?